ピンクとグレー

観てきました、「ピンクとグレー」。

センター試験休みを使って、雪の予報出てる中、一番近くでやってる映画館まで朝から車を走らせて観てきました。

世間的には平日だし、朝イチだし、そんな明るい話でもないし、下手したら私ひとりかな?と思いながら入ったものの、私のほかに、高校生(制服)(おそらく高3)が2人と中学生っぽい子が2人。
不安になりながらも席についたところ、不安は的中。うるさい。
映画のエンドロール中から話しだして、明るくなる前から「私にはわかんなかったなー」「何が言いたかったの?」などと騒ぎ出す。
お願いだからやめてくれ。

とは思うものの、私の感想としては、「その気持ちもわかる」そのもの。
加藤シゲアキさんが書きたかったものも、行定監督が映したかったものも、女子中高生の感想も、全部含めて、「その気持ちもわかる」。
そんな境界の曖昧さが、この映画の魅力そのものかなと感じました。

私ってなに、相手ってなに、人間ってなに、美しいものってなに、美しいってなに、生きるってなに、演じるってなに。
それらの疑問には答えなんてないし、なくていい。
その上でこの世界が成り立ってて、だから魅力的なのに不安定、でもやっぱりだから魅力的なんだと思います。

それらが凝縮された芸能という世界を使って、目いっぱいにつめこまれた曖昧な境界だらけのお話。
でもなんかそういうのって案外身の回りにもたくさんあるよね。
だってきっと、私は私であると同時に、他者から見られる存在であって、他者のおもう私という存在を演じてる面がないとは言い切れないし。
そういった面が、芸能で生きるひとには、一般と言われるその他大多数の私たちより断然多いんだろうし、それに苦悩させられることも数えきれないくらいあるんだろうと思います。

でも、答えがひとつしかない世界があるとしたら、たしかにそれは明確でキレイに整理されてるかもしれないけど、こんなに惹かれないんだろうな、とも、思います。

原作の小説を読んだときも、たくさん主題になりうる部分があって、読んだひとそれぞれ切り取る部分が違うんだろうなと思ったけど、映画という形にして映し出すことで、さらにそれが顕著になったと気がしました。

それがいいとか悪いとかではなく、だからこそ世界はおもしろいな、と、やっぱり私は思います。



あと、なんかどうしていいかわからなくなるくらい(どうしていいも何もないのはわかってるけど)、ひたすら中島裕翔さんが美しかったことを添えて、感想とさせていただきます。